2010年12月18日

家畜補償528億円 支払い完了越年も

宮崎日日新聞 再生口蹄疫より
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/kouteieki/index.php?id=8&paging=1


口蹄疫の感染疑いとワクチン接種で殺処分された家畜に対する手当金(補償金)について、東国原知事は14日の定例会見で総額が528億円に上る見通しを明らかにした。一方で「交渉しているが、18農家が評価に納得していただいていない」として、支払い完了は越年する見通しも示した。県は当初、10月末の支払い完了を見込んでいたが、評価作業の遅れなどからずれ込んでおり、さらに長期化することになった。

 手当金支払いの対象はワクチン接種家畜の所有者が1072件で約240億円、感染疑いの所有者が307件で約288億円。支払いは県が6月に公表した評価基準に基づき算定。所有者が同意すれば県や国に申請し、支払いが行われる。

 県畜産課によると、14日現在で支払いが済んでいないのはワクチン接種31件、感染疑い228件。申請はワクチン接種が99%済んだが、感染疑いは71%にとどまっている。

 同課は「感染疑い農家が汚染物品として(購入価格や血統などが分かる)書類を家畜と一緒に埋めたケースもある」と難航の理由を説明する。

 さらに評価基準は肉用牛や乳牛、肉用豚については月齢や父牛の血統など加算条件を細かに設定したが、ほかの畜種の加算条件は詳細ではなく一部で混乱がみられる。評価基準に盛り込まれていない血統でも農家が加算を求めるケースがあるという。

 手当金の支払い完了について、県は当初8月末の県民フォーラム(川南町)で「10月末を目標」と農家に示していたが、予想以上に難航し、「11月末」「年内」と2度の“下方修正”を行い、さらにずれ込む情勢となった。年内に支払いを受けるには17日までに申請する必要があり、県は同意取り付けや手続きを急いでいる。

 越年の見通しについて知事は「県だけの事情ではなく、農家さんの事情もある。税金を投入するわけなので、あまりにも根拠のない評価はできない」と説明している。

 また、口蹄疫対策の問題点などについて、県が独自に検証する県口蹄疫対策検証委員会(座長・原田隆典宮崎大工学部教授、8人)から15日に初のヒアリングを受けることも明らかにした。検証委は国も設置したが、知事への聴取は行っていない。





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前を向いて―復興に歩む人たち(4)

宮崎日日新聞 再生口蹄疫より
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/kouteieki/index.php?id=0&paging=1


■耕畜連携/信頼関係揺るぎなく


 畜産農家は、牛豚から排せつされるふん尿を堆肥に変えて農家に提供し、農家はそれを使って土地を肥やす。代わりに農家は畜産農家に家畜の餌を提供する。農家と畜産農家はこれまで、互いに手を取り合い、車の両輪として地域の農業を発展させてきた。

 古くから築かれてきた耕畜連携と言われる取り組み。しかし、口蹄疫は家畜を奪い、その歯車を狂わせた。県の試算によると、口蹄疫発生前の堆肥の量は19万8386トン。発生後は牛豚約29万頭が処分されたため約60%の供給がなくなり、8万3046トンまで減少すると予想されている。

 県畜産協会は「安心安全な農作物を作るためには、良い堆肥と化学肥料をうまく組み合わせなければならない。農家と畜産農家が手を取り合うことが必要だ」とする。
  
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 新富町上富田の鬼付女地区で農事組合法人「きづくめの里」を運営し、代表理事を務める農業長友識暁さん(72)は「牛ふんを利用する堆肥は、土地の底力を上げるために有効だ」と効能を説明する。同地区で仲間と農業を営んで4年。同法人に加盟する畜産農家から堆肥をもらい、土地を肥やしてきた。

 タマネギやブロッコリー、カボチャ―。豊かな土地はさまざまな作物を育て、農家を潤わせてきた。化学肥料が減少することで、安全安心をアピールすることができた。

 しかし口蹄疫の発生により、仲間は牛をすべて失った。さらに、同法人が進めてきた飼料稲の買い手も全頭処分が決まったため、提供先と提供元が同時に断たれるという危機に直面することになった。安全性の高い国産稲わらの普及を進める国の指導の下、同法人は飼料用稲の生産に力を入れていたからだ。
  
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 つまずきかけた耕畜連携の取り組み。しかしそれを支えたのは、長い時間をかけて築き上げた農家と畜産農家の信頼関係だった。全頭処分した農家は、長友さんに早期再開の意志を示し、堆肥の提供を快諾。豊かな土地をつくるために力を貸すことを約束した。口蹄疫問題では感染ルートが解明されていないため、国産の飼料は再び注目を集めることになった。

 耕畜連携は約半年間途切れたものの、土壌はこれまでに何十年も堆肥がまかれ、栄養を豊富に含んでいた。町農業振興課も「影響は最小限に食い止められた」と分析する。長友さんは再び畜産農家と一緒に土づくりに励む。口蹄疫で途切れた輪は、少しずつ元の姿を取り戻そうとしている。




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前を向いて―復興に歩む人たち(3)

宮崎日日新聞 再生口蹄疫より
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■観光/新たな仕掛けで活気



 西都市の西都原ガイダンスセンターこのはな館は、11月の営業を終えた時点で4月からの累計売り上げが昨年度に並んだ。口蹄疫被害が深刻さを増していた6月の売り上げは前年度比53%まで落ち込んでいたが、それを帳消しにするまでに回復した。

 きっかけは、初めて本格的に種をまいた約150万本のヒマワリだった。

 西都原古墳群に咲いた黄色の花々。新聞やテレビで報道された7月19日から26日までの売り上げは、前年度比の2倍に跳ね上がった。市観光協会の瀬戸博事務局長は「一時は人影もなくどうなるかと思ったが、ヒマワリの効果が予想以上だった」と振り返る。

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 西都原は菜の花(春)やコスモス(秋)が有名だが、夏場の売りがないことが課題だったため、市は新たな目玉として来年以降もヒマワリの種をまく予定だ。単発ではなく、来年につながる取り組みが功を奏したのは大きな収穫となった。こうした新たな仕掛けは、食のヒット商品も生んだ。

 県産の牛、豚肉と地取れの新鮮な野菜を使った「西都バーガー」。当初は「復興を刺激する」という意味を込めて激辛バージョンを用意し、このはな館で8月の販売予定だったが、好評だったため9月から週末の限定販売を始めた。

 10月に西都原であった「ふるさと産業まつり」では、中身をメンチカツに変えた「ニニギバーガー」350個が約1時間で完売。これが評判となり、商店街の朝市など各イベントから同協会に出店依頼が舞い込み始めた。

 市や同協会は販売を希望する民間業者がいればレシピを提供し、商業振興に役立ててほしいという思いも温めている。

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 真の復興へ今から勝負どころを迎える施設もある。マウンテンバイクやボルダリングが体験できるレジヤー施設「川原自然公園」(木城町)は6、7月の売り上げが昨年同期比で30%以上ダウンしたが、8月から客足が戻り始めた。

 とはいっても、新型インフルエンザで来場者減の影響を受けた昨年並み。東九州自動車道・高鍋―西都の開通をPR材料に、低価格の宿泊プランを売り込んでいく考えだ。

 3月にリニューアルオープンしながら口蹄疫で出鼻をくじかれた西米良温泉ゆた〜とも、パートの労働時間短縮、正規職員の給与10%カット(2カ月)に至った落ち込みを乗り越え、活気が戻った。

 だが、支配人の坂本哲也さん(38)は「本来ならばリニューアル効果で前年比1・5倍くらいを考えていたが、まだ及ばない。今からが勝負」と気持ちを引き締めている。




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前を向いて―復興に歩む人たち(2)

宮崎日日新聞 再生口蹄疫より
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■飲食店/ピンチをチャンスに


 天然カキのシーズンを迎えた高鍋町。例年であれば忘年会の団体がマイクロバスで詰め掛けるが、同町蚊口浦で海鮮料理店を営む中田弘幸さん(48)は「今年は半分以下。家族連れのお客さまは徐々に戻っているが、農家や地区、会社の団体が少ない」と嘆く。

 口蹄疫感染が急拡大した5月の大型連休を境に、不要不急の外出を禁じた県の非常事態宣言で客足はぱったりと途絶えた。予約はほとんどキャンセルされ、6月に料理人1人を解雇。終息後は、お盆や伊勢エビ漁の解禁を経て少しずつ常連客らが足を運ぶようになり、料理人も復帰した。

 ただ、地元の団体客の動きは鈍いままだ。感染が広がった間に仕事がなかった建築業者、売り上げの落ち込んだ商店主―。「傷痕は深い。(3月の)南九州大の移転で学生がいなくなったのに加え、厳しい状況」と危機感は強い。

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 ダメージから抜けきれないのは繁華街も同様だ。高鍋地区観光社交組合(128店)の馬渡和宏組合長は「忘年会の予約が例年より入らず、ものすごく厳しい。口蹄疫の3カ月間に全く出なかったので出無精になったのでは」と推測。副組合長のスナック経営尾田正信さん(55)も「飲みに出ないことに慣れてしまったのかも」と懸念する。

 客足の落ち込みを受けてプレミアム付き商品券や飲食券が配られ、さまざまな会合が児湯郡で開かれてきた。街ににぎわいを取り戻そうと、行政や商工団体などを中心に支援する取り組みが続いている。

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 新たな動きもある。同町で道北淳朗さん(54)が営む飲食店の調理場。蒸し上がった米に豚、牛肉などを交ぜるとおいしそうな香りが広がる。牛や豚、地鶏肉と古代米(赤米)のおこわを交ぜた「古代米弁当モー、ブー、コッコ」をイベント会場で販売するための調理に追われていた。

 考案したきっかけは、口蹄疫での売り上げ減だった。昼夜営業していた店の売り上げは7割落ち込み、新たに借り入れをしたりパートを探したりしたことも。

 そんな中で「地場の畜産のお手伝いをしようと考えた」のが牛や豚肉を生かした特産品の開発だ。反応は上々で新富町のJA直売所でも販売。口コミで注文が相次ぎ、昼の営業を休んで対応せざるを得ないほどだ。

 「児湯郡で畜産がものすごい経済効果を生み出していたことを見せつけられた。今後は県内の海や山のものを使ったおこわ事業を展開したい」と道北さん。苦境を新たな事業のきっかけとする逆の発想で、自らの道を切り開こうとする意気込みが感じられた。




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前を向いて―復興に歩む人たち(1)

宮崎日日新聞 再生口蹄疫より
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■イベント/地域が連携笑顔戻る


 恒例イベントをはじめ、夏祭りや定期朝市、学校行事やスポーツ大会も中止や延期を余儀なくされ、多くの人たちの楽しみや笑顔まで奪った口蹄疫。その数は計り知れず、経済損失は十数億円にも上るとみられる。窮屈な生活を強いられた分、終息を迎えた8月末からは「復興」と銘打った催しが次々。人の力や輪で苦難を乗り越えようと、地域が強固につながった。

 1市5町それぞれが地域特性を生かし活気づいた。都農町では都農神社を中心に子どもたちが主役のイベントが行われ、伝統の息づく町らしい形で再出発。新富、高鍋町でも若者や各団体が知恵を出し合いながら町の再興に躍起となっている。

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 「畜産が元の姿に戻るまでは町と農業、商工業でその分の元気をつくり、復興を進めていきたい」。最も感染が集中した川南町の津江章男商工会会長は力を込める。

 その柱は毎月第4日曜日に商店街で開く、名物朝市の「トロントロン軽トラ市」だ。町商工会によると、毎回5千人超を集客し、出店者1店舗当たりの売り上げは平均約5、6万円。商店街への波及効果も含めると、約1500万円の金が動く。加えて、月1度とはいえ、地域活性化を創出する場ともなっている。

 回を重ねるごとに発展を遂げた軽トラ市も4月から5カ月間は中止に追い込まれた。その間、事務局の井尻祐子さん(34)は「気が抜けたように寂しかったという声を多く聞いた。軽トラ市が果たしてきた役割を感じた」という。

 9月の再開の日。事務方の「また人が来てくれるか」との不安は開場と同時に吹き飛ぶ。町内外から2万人が詰め掛け、通りは人と熱気であふれた。景気づけの多彩なイベントも奏功し、来場者は「こちらが元気をもらえる」と感銘。津江会長は「3年以上の取り組みが浸透し、地域が待っていてくれたということ。復興の象徴として注目される存在でありたい」と話す。

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 10、11月も変わらぬ人気ぶり。しかし、スタッフは慢心することなく次なる一手を模索。軽トラ市の買い物客を児湯地域で周遊させようと、試験的な観光ツアーを2度実施。他の地域が持たない歴史や食という魅力がありながら知名度不足の観光資源のPRに懸命だ。

 このほか、東児湯5町の広域観光を図るひがしこゆ観光ネットワークは、恒例の鍋合戦で東児湯一丸を発信。各町共にさまざまな催しで得た英気や絆を糧に、地域経済の再興も進める。「ピンチをチャンスに」。津江会長はあらためて目を輝かせている。

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 畜産業に関連する産業や商工業者、観光やイベントなどにも影響を及ぼした口蹄疫。第二部では終息から約4カ月がたち、懸命に立ち直ろうとする商工業者、代表的な観光地やイベントの今を紹介する。




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